石川勇一の瞑想エッセイ「シューニャ」

2007年11月

ひとつになるとき

脳も記憶も心臓も
すべての細胞が
身体を超えた大いなるものに感応して
オーケストラとなって奏でるとき
魂を揺さぶる美しい音が生まれます

私が大いなるものの部分になりきるとき
私は調和してひとつになるのです

深い理解力

いろいろな物事に出会ったときや、
人から話をきいたときに、
自分にはまだ理解できていないことがある、
理解できていないがとても重要なことがありそうだ、
という感覚がしばしば湧く人は、
理解力が深い人です。

理解できていることと、
理解できていないことの両者が視野に入っているからです。

いろいろな物事に出会ったときや、
人から話をきいたときに、
しばしばすべて分かったような感覚になる人は、
理解力が浅い人です。

自分が理解できている範囲しか見えていないからです。

すでに理解していることと、
未だ理解できていないことの全体を観られる人は、
きわめて明晰な人です。

そのような人は、
自分の理解したことや、
自分の知識にはとらわれません。
自我の上位にある観照者が目覚めているからです。
観照者は私自身です。

自分の頭で理解出きていない
重要なことがあることを察する眼を鍛えることが、
知識を超えた深い霊性(スピリチュアリティ)を育みます。

ひきこもりのなかで

長年ひきこもりをしている人が、
今日の日本には100万人いるともいわれています。

そのなかには、
煩わしい人間関係を断ち切り、
ひとりでひきこもるなかで、
こころの孵化を体験する人もいます。

方向感覚を喪失した
出口の見えない心理状況を彷徨うなかで、
表層の自我の奥底に埋もれていた
自己自身に出会うという体験です。

孤独の暗闇のなかで、
自らの魂の光に照らされて、
その力強さに気づくのです。
それは戦慄であり、
畏怖であり、
生命に触れた安堵であり、
自己との分離が癒された感涙であり、
形容しがたい実存的な体験です。

このような体験は、
ひきこもりに与えられた恩恵です。
恩恵を得たものは、
もはやひきこもっている必要はなくなります。
生まれ変わって世に戻ることができるでしょう。
もちろん、
復帰はそれほどたやすい道のりではありません。

しかし、
世間に適応しているだけの人びとは知らない
もっとも重要なことの一部を彼らはすでに知っています。

プロフィール

石川勇一石川勇一

相模女子大学教授。日本トランスパーソナル心理学/精神医学会副会長。日本トランスパーソナル学会理事。「アートマンの館」代表。臨床心理士。

「アートマンの館」にて、カウンセリング、ヒーリング、臨床動作法、箱庭療法、ケイシー療法、瞑想法、山学道セラピー(山巡礼・法螺貝・滝行・勤行等)などを実践。

著書に『スピリチュアル心理学入門』(春風社、2009年、単著)、『自己実現と心理療法』(実務教育出版、1998年、単著)、『スピリチュアリティの心理学』(せせらぎ出版、2007年、分担執筆)ほか。

石川勇一『心理療法とスピリチュアリティ』勁草書房、2011年2月20日発刊。スピリットセンタードセラピー提唱の本格論文集。


◎コメントに対してコメントをできないことが多いです。その点、ご了承ください。


「アートマンの館」 

●ワークショップ情報
瞑想会:2012年1月8日(日)13:30~15:30
山巡礼with法螺貝in日向山:2012年1月29日(日)9:20~14:00頃
ヒーリング入門講座:2012年3月4日・11日
(以上、参加予約受付中)


●相模女子大学 石川研究室
http://www.sagami-wu.ac.jp/ishikawa/


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