石川勇一の瞑想エッセイ「シューニャ」

2007年12月

シューニャへの道

どのような神様を信じていても、
どのような宗教を信じていても、
根底においては万教同根です。

表層においては差異が目につきますが、
もっとも深層においては対立はありません。
もともとはひとつだからです。

万教が帰一する根源は空(シューニャ)です。
空性(シュンニャター)へ目覚めることは
意識的であるなしにかかわらず、
私たちの魂の奥底がもっとも待ち望んでいることです。

だから空に浸ったときには、
魂は無条件に喜びに満たされるのです。
その喜びのなかでは、
あらゆるものがやさしく溶かされていくのです。

私たちの魂は、
細々とした無数の出来事に遭遇しながら、
ほんのわずかずつ本質である空に目覚めていきます。
日常のさまざまな出来事への遭遇も、
その遙か先の延長線上へと進めば
輝ける空へと至ります。

瞑想はその目覚めを
少しばかり早めようとする試みです。

トラウマの完全な解消

辛い出来事が起きると
それがトラウマとなって、
心に刻印されてしまうことがあります。

トラウマがあると、
あたかも心が檻に閉じこめられたように、
心の領域が狭くなってしまいます。

トラウマによる恐れが
無意識のうちに心に境界線をつくり、
それを乗り越えられなくなってしまうからです。

心と魂が成長するためには、
トラウマは解消されなければなりません。
それにはさまざまな方法があります。

トラウマが解消される時には、
ただ痛みの棘(トゲ)を抜くだけでは不十分です。
ただ棘を抜いただけならば、
いずれまた同様の棘に刺されるかもしれません。
トラウマを呼んだカルマは解消されていないからです。

棘には棘の意味があったことを悟らねばなりません。
棘はただの悪者ではありません。
棘を恨んで痛みにうめいているだけでは、
棘の真意は決して明らかになりません。

なぜ自分に棘が刺さったのか、
どうすればよかったのか、
棘が刺さってなにを得たのか、
このようなことが自らの内観によって明らかにされるにつれて、
はじめて棘はギフトに姿を変えてゆきます。

トラウマが力があるときは、
内観は的はずれであるか、
表面的なところにとどまっています。

トラウマは禅の公案のようなものです。
はじめはさっぱり意味が分かりません。
公案は知性では解けません。
魂の眼で真摯に自らを内観しなければ解けないのです。
トラウマという公案の回答が発見されたとき、
トラウマは力を失い、
トラウマを引き起こしたカルマは完全に解消されるのです。

プロフィール

石川勇一石川勇一

相模女子大学教授。日本トランスパーソナル心理学/精神医学会副会長。日本トランスパーソナル学会理事。「アートマンの館」代表。臨床心理士。

「アートマンの館」にて、カウンセリング、ヒーリング、臨床動作法、箱庭療法、ケイシー療法、瞑想法、山学道セラピー(山巡礼・法螺貝・滝行・勤行等)などを実践。

著書に『スピリチュアル心理学入門』(春風社、2009年、単著)、『自己実現と心理療法』(実務教育出版、1998年、単著)、『スピリチュアリティの心理学』(せせらぎ出版、2007年、分担執筆)ほか。

石川勇一『心理療法とスピリチュアリティ』勁草書房、2011年2月20日発刊。スピリットセンタードセラピー提唱の本格論文集。


◎コメントに対してコメントをできないことが多いです。その点、ご了承ください。


「アートマンの館」 

●ワークショップ情報
瞑想会:2012年1月8日(日)13:30~15:30
山巡礼with法螺貝in日向山:2012年1月29日(日)9:20~14:00頃
ヒーリング入門講座:2012年3月4日・11日
(以上、参加予約受付中)


●相模女子大学 石川研究室
http://www.sagami-wu.ac.jp/ishikawa/


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