石川勇一の瞑想エッセイ「シューニャ」

トラウマの完全な解消

辛い出来事が起きると
それがトラウマとなって、
心に刻印されてしまうことがあります。

トラウマがあると、
あたかも心が檻に閉じこめられたように、
心の領域が狭くなってしまいます。

トラウマによる恐れが
無意識のうちに心に境界線をつくり、
それを乗り越えられなくなってしまうからです。

心と魂が成長するためには、
トラウマは解消されなければなりません。
それにはさまざまな方法があります。

トラウマが解消される時には、
ただ痛みの棘(トゲ)を抜くだけでは不十分です。
ただ棘を抜いただけならば、
いずれまた同様の棘に刺されるかもしれません。
トラウマを呼んだカルマは解消されていないからです。

棘には棘の意味があったことを悟らねばなりません。
棘はただの悪者ではありません。
棘を恨んで痛みにうめいているだけでは、
棘の真意は決して明らかになりません。

なぜ自分に棘が刺さったのか、
どうすればよかったのか、
棘が刺さってなにを得たのか、
このようなことが自らの内観によって明らかにされるにつれて、
はじめて棘はギフトに姿を変えてゆきます。

トラウマが力があるときは、
内観は的はずれであるか、
表面的なところにとどまっています。

トラウマは禅の公案のようなものです。
はじめはさっぱり意味が分かりません。
公案は知性では解けません。
魂の眼で真摯に自らを内観しなければ解けないのです。
トラウマという公案の回答が発見されたとき、
トラウマは力を失い、
トラウマを引き起こしたカルマは完全に解消されるのです。

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コメント

投稿者: なっこ

”トラウマ”という言葉からは、とても大げさな印象を受けます。
しかし身の回りを振り返れば、そこかしこにトラウマの種が落ちていますね。

自分の両親が影響するもの、純粋に単なる経験からなるもといろいろです。
いずれにしても変わらないのは、そこに触れられた途端、自分が萎縮することです。
自分の萎縮を察知すると、多くの場合は無意識的にそこを無視してしまいますね。
そして必死に虚勢を張っている気がします。

反面、本心では自分の弱さに気づいているので、心はとても寒々しいのです。

先生の仰るように、トラウマが教える意味を捉え、自己の糧にできたら素晴らしいですね。

2007年12月04日 22:33

投稿者: No Name

自分の境界線を超え、一回り成長したいのです。

それはとても難しく、何度も何度も挫折します。
挙句、他人まで巻き込み、傷つけてしまいました。

それでも乗り越える価値はありますか。
乗り越えたとしても、代償は小さくないでしょう。

私はいつか、他人を心から愛したいのです。


2008年06月05日 22:16

投稿者: nakko

境界線が見えたら
それを超えて一回り成長したいです。
しかしそれはとても難しいと思います。
多くの犠牲を払うでしょう。

事実、私は自分ばかりか他人まで傷つけてしまいました。
それでも価値はありますか。

いつか、だれかを心から愛したいのです。


2008年06月05日 22:23

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プロフィール

石川勇一石川勇一

相模女子大学教授。日本トランスパーソナル心理学/精神医学会副会長。日本トランスパーソナル学会理事。「アートマンの館」代表。臨床心理士。

「アートマンの館」にて、カウンセリング、ヒーリング、臨床動作法、箱庭療法、ケイシー療法、瞑想法、山学道セラピー(山巡礼・法螺貝・滝行・勤行等)などを実践。

著書に『スピリチュアル心理学入門』(春風社、2009年、単著)、『自己実現と心理療法』(実務教育出版、1998年、単著)、『スピリチュアリティの心理学』(せせらぎ出版、2007年、分担執筆)ほか。

石川勇一『心理療法とスピリチュアリティ』勁草書房、2011年2月20日発刊。スピリットセンタードセラピー提唱の本格論文集。


◎コメントに対してコメントをできないことが多いです。その点、ご了承ください。


「アートマンの館」 

●ワークショップ情報
瞑想会:2012年1月8日(日)13:30~15:30
山巡礼with法螺貝in日向山:2012年1月29日(日)9:20~14:00頃
ヒーリング入門講座:2012年3月4日・11日
(以上、参加予約受付中)


●相模女子大学 石川研究室
http://www.sagami-wu.ac.jp/ishikawa/


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