原水音のひとつらなりのいのち

2009年10月

自然が天才を育てるー ケンとアイリス

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すべてのこどもは天才のタマゴだ。

天才というのは、
天からあたえられた才能を発揮することができる人。
才能をカタチにするためのたゆまぬ努力ができる人
のことだと、私は思う。


私たちはとんでもない山奥で
こどもを産み育ててきたので、
こどもたちには本当に苦労をかけた。

幼稚園も保育園もない山のなか。
自然が遊び場で、学びの場だった。

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長男はアメリカの山奥で生まれた。
長野県とおなじくらいの広大な国有林に、
仲間たちが購入した私有地で
私は夫と出会い、この山で医師も助産婦もいないなか、
三日がかりの大難産の末、長男は生まれてくれた。

おなじ山で生まれたお隣のこどもたちと、
来る日もくる日も、野原を駆けまわり、
玄米おむすびをもって森へピクニックに出かけ、
木や草やコケや石で秘密基地をつくっては遊んでいた。


帰国してから住み着いた熊野の山奥では、
長男に小学校の同級生はいなくて、
教室には先生とふたりだけ。
次男も二人しか同級生がいなかった。

だから、長男なんか、この子は勉強ができるのか、できないのかも
まったくわからなかったし、
親の方も、まあ、そんなこと、どうでもいいと思っていた。

その長男が、今年の夏、カリフォルニア州立バークレー大学を卒業し、
10月から東京で外資系の有名企業に就職した。
長男が通った大学は、毎年のように、
ノーベル賞受賞者を輩出している名門校。
世界中から優秀な学生が集まってくるスゴイ大学だ。

アメリカで生を受けた長男だが、育ったのはほぼ日本、
それもとんでもない過疎地の山奥村。
英語だって、自力で勉強するしかなかった。

塾通いはおろか、参考書だって満足に買ってあげた記憶がない。

長男はアメリカにわたったあとも、学費と生活費を稼ぐため、
寿司職人として働き、学業と仕事の両立をリッパにこなした。

この秋、長男とおなじアメリカの山奥で生まれ育ったアイリスが
京都へやって来た。
彼女も長男と同じ大学を卒業し、大学院で心理学博士を取得し、
京都で行われた学会に出席するための来日だという。

裸足で野原を駆けまわっていたふたりが、
それぞれの道をたくましく歩み、
社会に出て行く。

ただ勉強ができるだけでは天才とは呼ばない。
自分で学費を稼ぎ、世界的に著名な大学で学ぶために、
彼らはどれほどの努力を重ねたことだろう。

そして、なにより私が彼らを尊敬するのは、

ひとに優しく、自分に厳しく

そのモットーを絶対に曲げないで生きている姿だ。

天はすべての人間に、それぞれ固有の才能を与えている。
でも、その才能の芽を、
まず親が知らずに摘み取り、
教師が異なる方向へねじまげてしまう。

生まれてから大人になるまで、
こどもたちの心や体にトラウマを残さないよう
わたしたちは見守り育てることしかできない。

親のエゴをはずしながら
こどもの心にどれだけ寄り添えるか
子育てはとても難しい。
でも、これほどステキな仕事はない。
だが、これほど失敗の許されない仕事もない。

わたしたち以上に、こどもたちを守り育て、
愛をおしみなく与えてくれたのが、自然だった。

幼かった彼らは、
山の向こうに沈んでいく大きな夕陽をみつめて
毎日、叫んでいた。

「バイバイ、おひさん。
ありがとう、おひさん」

だれも教えないのに、こどもたちは自然への感謝を忘れることはなかった。

ただいま台風 接近中!!!

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十年ぶりの大型台風、日本上陸!

それが、なんか、紀伊半島方向に向かってきてるらしい。

先ほど、犬のちゃっぴいと息子と、家の外にでてみたら、

嵐の前の静けさ。
風もほんの少し強い程度で
雨も降っていなかった。


道路の向こうは川。

昨日からの大雨で水かさが増しているというのに、
いつも
一番、川の水の多いときに、
そして台風のさなかに、

ダムが放流する!

すると、わずか数分でみるみる川の水かさが増える。

ダムが放流しなければ
川下の町が浸水しなくてすむのに!

「放流しまーす!」
ウウーーーーーーーイン!

大音響で鳴り響く不吉なサイレンの音。

わたしは思わず
空を見上げ、川の水に祈った。

台風をつかさどる神々さま
風の神さま
水の神さま

竜神さま
どうか、無事に大いなるエネルギーが通過していかれますように

夜空に渦を巻いた雲がいる。


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風が急に強くなる。
怖いくらいに強く吹く時もある。

その度合いが増して、
時間がたつにつれ
どんどん激しさを増していく。

でも、雨はほぼ止んでいる。

秋の虫の声が
リンリンと聞こえてくる。

虫たちは逃げないのだろうか。
草の陰にしっかりへばりついて
でも元気に歌っている。

紀伊半島をそれて
もうちょっと海を走っていってください。
お願いいたします。

オオー、風が強くなってきて、外でビンかなにか倒れた音!


運動会の大玉送りのように
日本列島が
台風の大玉をしっかり送りきりますように!

無事にエネルギーが流れてくれますように!
大いなる力が近づいてくるのを
感じています!

明日になったら
なにか大きく変わるかも!

プロフィール

原 水音原 水音

アメリカ、屋久島、熊野で、四人の子を自宅出産し、自然の中で子どもを育てる。
心も体もたましいも癒される、聖なるお産を味わってほしいと願い、恋愛&セックスから自宅分娩、自然出産、自然育児についての講演やワークを行っている。
自然や平和をうたう歌手、エッセイストでもある。
著書「地球のまわる音が聞こえる」「奥熊野かづら工房」
CD 「ひとつらなりのいのち」他、映画音楽「みえない学校」

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