原水音のひとつらなりのいのち

2009年11月

天才を育てる  素足であるく

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散歩は、子育ての日課

子どもたちはアメリカの森のなか、
屋久島の海べ、
熊野の川べりで育った。

家の周りには、公園も幼稚園もなかった。

でも、こどもたちにとっては、家の周りのすべてが、
自然の織りなす遊び場で、
偉大なアーティストで、
天の理を地に降ろす最高のせんせいだった。


散歩は、日々の日課だった。

子どもにとって、自然とふれあうことほど楽しいことはない。

自分の足で歩けない赤ちゃんだって、すごく自然を求めている。
家のなかに寝かせてばかりばかりでなく、
外の、みずみずしく、フレッシュで甘い空気を吸わせてあげよう。

街を散歩するのも楽しい。
ウインドショッピングや、きれいな建物を見つけながら歩くのは大好きだ。
でも、場所によっては、
車の排気ガスで、かなり空気が汚れている。

バギーに乗せたこどもは、大人より顔が地面に近くなるから、よけい苦しい。
公園、
自然の多い場所、
車のなるべく通らない土手、
神社やお寺の境内など、
静かな場所を選んで散歩するといい。

風を体に感じ、
お日さまの光を顔に受けて、
こどもは五感をふるわせる。
すると、
脳が、細胞がどんどん活性化する。

自然のなかで、こどもは
安らぎと幸せを感じている。
こどもの体から緊張がぬけている。


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多くの赤ちゃんは、一歳前後に自分の足で立つ。


一歳は、自立のはじまり。

自分で動ける。
これは、赤ちゃんには画期的な出来事だ。
子どもは、とうとう母親の体から離れて、
自分の世界を生きよう必死に努力する。

足もとがまだおぼつかない一歳すぎくらいから、
裸足で歩かせてみよう。

庭の草の上、
土の上、
優しい波動や、やわらかくあたたかい土の感触は
子どもの皮膚感覚に強くうったえる。

むきだしの命である赤ちゃん、
自然そのものである子どもにとって、

水音を聞きながら歩く川べの石の上、
海辺の岩の上に素足をおきながら、
時に大きく足を動かし、
手もつかって、体全体で歩く

ごつごつした石
すべすべの岩、
棘のある種を踏んだときの痛み
おひさまに温められた川べりの岩の
ねむくなるような安らぎ

こどもの足は、手は、
自然の感触をあじわい
こどものこころは
ワクワク、きらきらの感動を楽しんでいる。


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母なる自然のみえないおっぱい

素足の散歩は、
母なる自然に抱かれること。

母なる自然のみえないおっぱいが、
靴も靴下もはかない、
むきだしの足のうらから
グングン吸いこまれていくのだ。
それは貴重な体感である。

自然から切り離されて育った子どもと、
自然のおっぱいを十分飲んで育った子ども、

では、皮膚感覚が異なると思う。

生まれた直後に、赤ん坊の汗腺の数が定まるのだという。
空気も温度も調整された病院で生まれた赤ん坊の汗腺と
風とおしのいい家のなかで産声をあげ、
すきま風でちょっと寒いくらいの部屋の寝かされた赤ちゃんとでは
汗腺の数がちがってくる。

自然にいだかれ育った子どもは、
五感を駆使して、
こころと体をはぐくんでいく。


バッハやシューベルトをおなかの赤ちゃんに聞かせるよりも

貝殻みたいにかわいた葉っぱをゆらす秋の風の音や
川をゆく水のたえまない歌声、
空からふってくる鳥のフルート

自然のサウンドの方が、ずっと上質の胎教音楽だ。

幼稚園の早期英才教育、なんて必要ないくらい

自然のキンダーガーデンは優れている。

プロフィール

原 水音原 水音

アメリカ、屋久島、熊野で、四人の子を自宅出産し、自然の中で子どもを育てる。
心も体もたましいも癒される、聖なるお産を味わってほしいと願い、恋愛&セックスから自宅分娩、自然出産、自然育児についての講演やワークを行っている。
自然や平和をうたう歌手、エッセイストでもある。
著書「地球のまわる音が聞こえる」「奥熊野かづら工房」
CD 「ひとつらなりのいのち」他、映画音楽「みえない学校」

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