
鹿児島でホスピスをされている堂園晴彦先生(堂園メディカルハウス院長)から、1冊の絵本「水平線の向こうから」(文;堂園晴彦 絵:葉祥明 明月堂書店)が送られてきた。表紙に鈴木秀子先生の言葉が載っている。
病気の人、愛する人を失った人、死が怖いと感じている人、生きる苦しみを味わっている人、・・どうぞこの本を開いてみてください。日本のホスピスケア(緩和)ケアの最前線を歩んできた医師が、1500人を超える尊い命を看取ってきた経験と、まごころを紡いだ物語。
堂園先生がこの絵本の構想をずいぶん前から温めていたことは、時折かかってくる電話や、たまに東京に出張でいらっしゃる時に食事をしながらお聞きしていました。
以前の日記にも書きましたが、堂園先生は何度もインドにあるマザーテレサの「死を待つ家」に行って、ボランティア活動をしてきました。堂園先生のホスピス活動の原点はマザーの仕事だったのです。
「愛の反対は憎しみではなく、無関心である」「人のもっとも深い悲しみは、誰からも関心を持たれず、誰からも必要とされないことだ」「たいせつなのは、どれだけたくさんのことをしたかではなく、どれだけ心をこめたかです」「日本は経済的に豊かな国になったが、愛が貧しい人、愛に飢えている人が多い」と言ったのもマザーでした。
マザーの言葉の中でも私が繰り返し読んできたのはこのメッセージです。
<あなたの中の最良のものを>
Give the world the best you've got anyway.
人は不合理、非論理、利己的です 気にすることなく、人を愛しなさいあなたが善を行うと、
利己的な目的でそれをしたと言われるでしょう
気にすることなく、善を行いなさい目的を達しようとするとき、
邪魔立てする人に出会うでしょう
気にすることなく、やり遂げなさい善い行いをしても、
おそらく次の日には忘れられるでしょう
気にすることなく、し続けなさいあなたの正直さと誠実さとが、あなたを傷つけるでしょう
気にすることなく、正直で誠実であり続けなさいあなたが作り上げたものが、壊されるでしょう
気にすることなく、作り続けなさい助けた相手から、恩知らずの仕打ちを受けるでしょう
気にすることなく、助け続けなさいあなたの中の最良のものを、この世界に与えなさい
たとえそれが十分でなくても
気にすることなく、最良のものをこの世界に与え続けなさい『最後に振り返ると、あなたにもわかるはず、
結局は、全てあなたと内なる神との間のことなのです。
あなたと他の人の間のことであったことは一度もなかったのです。』
~ マザー・テレサ の言葉より ~
マザー・テレサを敬愛する堂園先生は、ホスピスという仕事柄、親を早くに亡くすという体験をしなければいけなかった幼い子供たちのあまりに深い悲しみに接し、どうやってこの子たちの心を慰めることができるのかにずっと胸を痛めてらしたのだ。
この絵本は堂園先生のその想いから生まれたものだ。出版化が決まった時に、絵は葉祥明さんにお願いすることにしたとお聞きし、自由が丘の喫茶店で葉祥明さんと絵の打ちあわせをするときに私も同席させていただけたのです。できあがった絵本の絵は、葉祥明さんのあのやさしくやわらかいタッチの絵なので表紙の絵を見ているだけでも心が爽やかになる絵本です。
この絵本は、余命いくばくもない母親が、幼い娘に死とは何かを語り、自分が亡くなったあとにも、あなたは「心の電話」でお母さんと話ができるからその練習をしましょうと言い、ふたりでその練習をするのです。
でも、実際に母親が亡くなったあとは、主人公の藍ちゃんは「心の電話」どころではありません。もう一度お母さんに会いたい・・・もう一度お母さんと話がしたい・・・。藍ちゃんの願いはそれだけです。
お母さんにもう二度と会えなくなってしまったことが、藍ちゃんは悲しくて悲しくて仕方がないのです。いくらお母さんが、「死ぬというのはただ目に見えない世界に行くだけなのよ」と言ったって、藍ちゃんにとっては、お母さんがいなくなってしまったことが寂しくて、毎日泣いてばかりいました。
藍ちゃんは、だんだん、お母さんの病気がよくならずに死んでしまったのは、自分がいい子じゃなかったからなんじゃないか、自分のせいだったんじゃないかと、自分を責め始めるのです。
ずっと元気がない藍ちゃんを心配したお父さんが藍ちゃんを海水浴に連れていってくれました。昔お母さんとお父さんと一緒に行った海です。島の海は美しく、藍ちゃんは、そこで亡くなったお母さんの存在を感じます。それはお母さんを亡くしてからはじめてのことです。目には見えないけれど、お母さんがいるということを藍ちゃんはしっかり感じることができたのです。その日から藍ちゃんは少しづつ元気になっていきます。
「小さい頃、父と母と夏休みに島へ行き、海水浴をするのが楽しみだった。思い出の砂浜に今、彼と二人で座り、水平線を眺めている。あたりの風景は時が止まったように、あの頃と何も変わっていない」
「夕暮れとともに、空が曇ってきた。遠いあの日に感じた優しい風が、そっと私の頬を撫ぜていく。風は、15年前の記憶を鮮明に蘇らせてくれる。大切なひとに母の思い出を初めて話そうと思った」
物語は、幼くして母親を失った藍ちゃんの日々を、婚約者の彼と共に母親の生まれた島に行って、話をするところから始まります。これから人生を一緒に生きていこうとする人に藍ちゃんは、自分の深い悲しみも痛みも喜びも感動もぜんぶわかってほしいと思ったのです。
藍ちゃんの幼い日々の話にずっと耳を傾けてくれていた彼が、藍ちゃんの話が終わったあとに言った言葉で私は思わず目頭が熱くなり泣いてしまいました。どれほど深い悲しみでも、その気持ちを本当にわかってくれて、受け止めてくれて、分かち合うことができたら、その悲しみは癒され、再び愛にもどっていくのでしょう。
この世で出会った者には、必ず別れの時がきます。その人が大切な人であればあるほど、愛する人であればあるほど、その存在が目の前から消えてしまった悲しみ、苦しみは、はかりしれません。愛には哀という意味が含まれているというのはそういうことなのでしょう。
人は人を愛さずにはいられない存在です。しかし、愛すれば愛するほどその喪失感、哀しみ、苦しみは深くなります。仏教でいう「愛別離苦」です。この世の「諸行無常」を感じるときは、そういうときでしょう。でも本当は死は終わりではありません。人は永遠の生命だからです。私たちはみな本当はひとつの意識、ひとつの存在だからです。
堂園先生から先日メールがきました。下記がそれです。
たまらなくいい映像です。堂園晴彦
http://douyou1001.seesaa.net/article/115913280.html
以前「SQライフ」に書いた堂園先生のこと
タイトル「やはり僕たちの国はどこか大切なところで道を間違えたようです」
http://blog.sq-life.jp/okabe/log/message/000616.shtml
PS:京都での個人セッションと1dayワークショップを終えて帰ってきました。主催してくださった「Rebirthりえちゃん」(オーラソーマ・ティーチャー)とりえちゃんママの「ちーちゃん」、そして参加してくださったみなさんありがとうございました。すごい濃いメンバーでした、今回も。出会ってくれてありがとう。
<お知らせ>
岡部明美公式ホームページ http://anatase.net/
*7月24日(土) 札幌コラボ講演会岡部明美&「具現びとさん」小西康弘(医師)
主催「マリアさん」http://mixi.jp/show_friend.pl?id=8027970
*7月25日(日) 札幌コラボ1dayワークショップ(岡部&小西)
*9月18日(土)~20日(月・祝日) 神奈川・三浦半島3daysワークショップ 主催「まゆ亭くにおさん夫妻」
http://mixi.jp/view_event.pl?id=53799447&comm_id=982903
*10月2日(土)~3日 岩手2daysワークショップ
主催:「かりん」ちゃんと「ココロ」さん
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=1520748939&owner_id=9488290&comment_count=15
携帯でもSQ Lifeメッセンジャー・ブログが閲覧できます。
http://blog.sq-life.jp/m/
