尾崎真奈美の天使語同時通訳します

2009年06月

ルシファー効果

第一回世界ポジティブ心理学会に参加してきた。
スタンフォードの著名な社会心理学者ジンバルドが話していた、ルシファー効果が気になった。
ポジティブ心理学会でなぜ悪の心理学のことを話すのかと拒絶反応があった。
効果的な映像で人間の最も醜い部分を抉り出し、これでもかと訴えるプレゼンには、私は吐き気と頭痛で耐えることができなかった。
帰国してしばらくたった今になって、冷静に考えられるようになった。
帰国した直後にカミカゼ特攻隊の映画を観る機会があった。

人間はどういう善良な人でも、環境によって悪くなれる。

ルシファーは、美しくかっこいいのだ。
お国のためという大義名分はなくても、愛する家族を守るためという美徳にすり替えられた非人間的で破壊的・残虐な組織的な行動は、振り返ると背筋が寒くなり、吐き気をもよおした。

言葉にならない思いがわき上がってきた。
表面的に美しいものに惑わされてはいけない。
一時的な気持ちよさに惑わされてはいけない。

ポジティブ心理学をやろうとする人は特に、このルシファー効果について意識的に目覚めていなければ危ないと思う。

美徳というのは本当に難しいものだ。

東洋の智慧

東洋医学でいう五臓六腑。詳しくは知らないけど、それぞれの臓器が互いに補い合っている、それぞれの感情をつかさどっているらしい。

怒ってる人は肝臓をやられるとか、しんでると肺をやられるとか。
なるほどな・・・

怒りで肝臓をやられてる人には、肺の悲しみがいいのだそうで。
悲劇的な話で怒りが収まるのだそうで。
許さなければとか、ポジティブになろうとかいう話ではなく、悲しみの処方とはうまいことを言ったものだ。
悲しみには何が良いのか?
たぶん冷静沈着な思考だろう。

このように考えてみたら、すべてが大切で、問題なのはバランスが悪くなることだということがよくわかった。健康とはバランスの回復。

これが陰陽のバランスで、タオということなのか。
すごい智慧だわ。

不均衡を調和させること。
やりすぎ行きすぎを正して中庸に戻ること。

バランスバランス。

叡智とエイジングと

賢者にはなりたいけど、年はとりたくない。
でも、一部の天才を除いては、賢くなるにはやっぱり経験が必要だったりする。
というか、凡才は経験しても、賢くならなかったりもするけど。

先日の講演会でPTGの話が出た。
PTSDではなく、PTG.
つまり、トラウマのあとで、心が壊れるのではなく、もっと強く成長していく話だ。

同じ経験をしながらどうしてこんなに差が出るのだろう?
SOC首尾一貫感覚も、もともとストレス対処のあり方で健康になる人の特色を記述している概念だ。
だからきっと、PTGも同じようなものだと思う。
つまり
1.しっかりとした現実把握
2.現実対処できるという信頼
3.出来事には意味があるという確信
これがあるとき、健康に、成長し、賢くなると考えられる。

付け加えるとしたら、ポジティブイリュージョンによる楽観主義かな。
これはある意味でしっかり現実を見つめる、理解するということと矛盾する。
ここで考えたのは、理解には二種類あるということ。
頭で論理的客観的にする理解。認知と呼ばれる概念。
SOCで言う現実把握はこれに近いのかもしれない。

それに対して直感的身体的だったりもする主観的な理解。
高橋正実は腹の理解、あるいはrefrective understandingと呼ぶ。
これって、ポジティイリュージョンと呼ばれるものに近いのではないか。
魂の底では、大丈夫だとわかっているからだ。

叡智はこの両方の理解の統合だという。
頭での理解は勉強と経験が必要かもしれない。
だから年をとった人のほうが有利なのかもしれない。
でも、時々小さな子どもでも、魂の底の光をそのまま体現してアタリマエのように真理を片言で表現するのに出会う。

老賢者って言うけど、小さな賢者もいると思う。
何も賢くなるために年取る必要はない。

肉体はもちろん若い方がいいからアンチエイジングでフレッシュに保ちつつ、スピリチュアルな成長を目指すと最高だなって思う。
そういえばスピリチュアルな人って、時々年齢不詳的に若かったりする。
健康なんだろうとか、JOYにあふれているからだろうとか思ったりするけど。
そのあたりのメカニズムもそのうち解明されるんだろうけど、人工的なのはどうも趣味じゃないなあ。

賢くなりたいけど肉体は年取りたくないっていうのはきっと、みんなの願いだろう。
みんな年はとるけど、もう少しゆっくりにしたいってことなのよね。
あるいは、健康で長生きしたいってことなのよね。
長生きしたくないって言うのはきっと、不健康な老人のイメージがあるからだろう。
健康で長生きできたらとても素敵だと思う。
体のメンテナンスに気をつけて、医療のお世話にならないで120歳目指してがんばろうっと!

プロフィール

尾崎真奈美尾崎真奈美

東京大学大学院教育学研究科博士課程満期退学。ペンシルバニア大学医学部精神科、東京大学医学部公衆衛生学研究室などを経て、現在相模女子大学人間心理学科准教授、米国サーチインスティチュート、スピリチュアリティ発達センター客員研究員。
インテグラル心理学・スピリチュアリティ論・芸術療法などを教えながら研究、ダンス、執筆活動を続け、科学と芸術の統合を試みる。
天使語同時通訳は日々のインスピレーションの書き散らしである。
国際生命情報科学会、日本トランスパーソナル学会理事。日本心身医学会、日本トランスパーソナル心理学・精神医学会、国際ポジティブ心理学会会員。

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