佐藤 道代のダンス:身体を感じ、心を表し、フルに生きる試み

太陽系を踊る

津田塾大学の「動きの教育」中で、「太陽系を踊る」という授業をしました。

ゲスト講師として東京大学数物連帯宇宙研究機構の教授で、夫のマーク・ヴェイギンズを招き、太陽系の惑星の形成過程のレクチャーをしてもらい、その話を私が振付け指導して、学生が踊るというものでした。

私たちにとっても、学生にとっても、エキサイティングな試みでした。

太陽系を踊る


太陽系は50億年前に、それ以前に存在していた系の残骸から生まれました。残骸=ダストが、それ自身の重力で引き合いくっつくを繰り返して、生まれました。

太陽は、100万個の地球が入る大きさを持っていいます。太陽が形成されると共に、一定の軌道を回っていたダストから惑星が姿を現し始めました。

水星、金星、地球、火星などは、比較的重い物質が集まったものです。木星、土星、天王星、海王星等は、主にガスでできています。

冥王星は近年、矮小惑星と呼ばれるようになりましたが、主に氷で出来ています。太陽系以前に存在していた惑星群の生き残りかもしれません。その軌道は、惑星と異なり、むしろ彗星に近くなっています。

ヴェイギンズは科学者として、惑星の動きが、踊りというアートとして表現されると、真実から大きくかけ離れるのではと心配していました。そこで、「ダストの動きが、ランダムであり、軌道上を回りながら、自然にぶつかってくっつく」にはどうしたら良いか考えました。

各学生に惑星カードをくじ引きで引いてもらい、名札に裏返しでくっつけ、自分が何の惑星になる予定かは、人には分からないようにしました。他の学生とぶつかったら、カードを見せ合い、合っていたら手をつないで一緒に惑星として自転しながら軌道上を回ります。間違っていたら自分の惑星の仲間が見つかるまで、ダストとして他のダストにぶつかる事にしました。

この方法がとても上手くいきました。曲はホルストの「惑星」の「火星」で始めました。ダストがランダムにぶつかる荒々しい感じを持つ曲です。ぶつかって手をつなぎ、次第に惑星の大きさに広がる学生の輪が増えていきました。

太陽役の学生は大人数なので仲間がすぐに見つかっていましたが、水星など、小さい惑星の役の人たちは、仲間が36人中の1人しか居ないので、見つからず寂しい思いをしたと、感想に書いていました。これに、ヴェイギンズはとても、満足していました。学生が「動き、感じて、考える」という3つのプロセスを踏んだからです。心が動いて考えることが、科学の授業では大切だと言っていました。

それぞれの惑星の輪が形成されたら、曲を雄大で拡散する感じを持つ「木星」に変えました。それぞれ自分の役柄の惑星の軌道に入っていき、反時計回りに太陽の周りをを回り続けました。太陽はそのプロミネンスを表現するため、外に向かい光線を発するように、手足を差し出しました。

惑星役の学生は、仲間と作った輪の重心を感じる事で、自転しながら太陽の周りを回転することに挑戦しました。目がまわった人も居たようですが、学んだばかりの、コンタクト・インプロビゼーションの手法の原理を、皆さん良く使っていました。

太陽系を踊る


今までに、「核融合を踊る」という試みもやってみましたが、科学的現象の振付を考えるというのは、とてもクリエイティブで楽しい試みです。まず、現象に近く、誰でもが身体で出来る範囲のシンプルな動きとスペースのパターンを探します。後は時間の経過と動機を助けてくれる曲を探します。そして、とにかくやってみます。やるまでは、形として成功するか分からないのでわくわくします。

科学実験とは違い、動いているのが人ですから、皆のやる気があればまず大丈夫。やりながら即興的に上手くいくように導きます。

身体=心=精神を動かすような、科学と動きの授業をこれからも機会があったら是非続けたいと思っています。

太陽系を踊る


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(関連ページ)
東京大学数物連帯宇宙研究機構:http://www.ipmu.jp/jp/
津田塾大学:http://www.tsuda.ac.jp/ja/index.html

■ワークショップ 教室
▼イサドラ・ダンカン・ダンス
1月15日(木曜) 午後6時より 自由が丘よみうり文化センター教室 1月期開講!
3月14日の発表会に向けて「ばらの花びら」を一緒に踊ってみませんか?
Place: よみうり文化センター自由が丘
〒158-0083 東京都世田谷区奥沢5-27-5 魚菜ビル3F
TEL : 03-3723-7100(代表)

▼イサドラ・ダンカン・ダンス ワークショップ
イサドラ・ダンカン・ダンスの基本「自然のエレメント」を動いていく、初心者向けのワークショップです。
1月24日 (土) 「地」
1月31日 (土) 「風」
3月7日(土)「水」
4月18日(土)「火」
5月30日(土)「風」(イサドラ・誕生日祭)
Place: 千駄ヶ谷津田ホール2F 同窓会室 
http://tsudahall.com/THHP/annai.html
Time: 10:15 - 12:15 p.m.
Class Fee: 3500 yen (including. Reference costs)
要申込:Tel/Fax: 047-357-9246
Email:michsato@cba.att.ne.jp

▼モダン・ダンス・スタジオ水芭蕉庵は、現在、以下の予定で無料体験レッスンを行っております。
・レッスン日:水曜日 月3回
・場所:スタジオ水芭蕉庵 (東西線南行徳駅徒歩4分。詳細はお問合せ下さった方にご連絡します)
・対象: 
幼稚園児: 16:00~17:00
小学生: 17:15~18:30
中学生以上大人: 19:00〜21:00   
※各クラス少人数制で行います
・お問い合せ:
TEL/FAX: 047-357-9246 
email:michsato@cba.att.ne.jp
http://home.att.ne.jp/alpha/idance/

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コメント

投稿者: まなみん

興味深い試みですね。
楽しそうです。

2009年01月05日 23:00

投稿者: 佐藤道代

まなみん先生

私もとても楽しかったので、シリーズで又やりたいです!

2009年01月07日 23:39

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プロフィール

佐藤 道代佐藤 道代

モダンダンスに日本の身体言語を融合し、元型的身体言語を追求する舞踊家。
津田塾大学卒業後ロータリー財団奨学金にて留学したニューヨーク大学より修士号及び舞踊教育学科長賞を受賞。自作を日本(EXPO2005)、米国(国連)、英国(大英博物館)等、各地で公演。NYタイムズ紙に「スタイル・内容ともに洗練された作風」と評される。1998年ミュージカル「王様と私」出演。2004年NYジョイス・ソーホーで、日本女性に関する自作品の公演を行い連日満席となる。2003年、2004年舞踊批評家協会新人賞ノミネート。2005年Die Pratze観客賞受賞。2007年エッセイ「イサドラ・ダンカンの舞踊理論とスピリチュアリティー」を、「スピリチュアリティーとは何か」(ナカニシヤ出版)内にて出版。

URL:http://home.att.ne.jp/alpha/idance/

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