佐藤 道代のダンス:身体を感じ、心を表し、フルに生きる試み

NYの偉大なダンスの先生達II:Ms. Mary Anthony

今回はメアリー・アンソニー先生。90歳を超えて、今尚ブロードウェイ沿いの自分のスタジオで週4日教えていらっしゃいます。

先生は、1918年11月11日、第一次世界大戦の終戦日に生まれました。1940年にモダン・ダンサーになる事を決意して、カンザスから一人NYに上京し、ドイツのモダンダンスの巨匠であるルドルフ・フォン・ラバンの弟子のハンヤ・ホルムの奨学生となりました。その後、その学校の教師となり、ブロードウェイやロンドンのミュージカルでダンサー、振付師として活躍し、自分の作品を作る舞踊作家となって1954年に独立して、現在の場所(736 Broadway7F, Tel 212-674-8191)に学校を創り、1956年にメアリー・アンソニー・ダンス・シアターというカンパニーを創りました。(写真:Ms. Mary Anthony)

メアリー先生は、アメリカのモダンダンスの傑出する人材を多く育てました。ポール・テイラー(現在の米国の最高峰の振付家)、バートラム・ロス、木村百合子さん等、マーサ・グラハム舞踊団のダンサーの多くは、実はメアリー先生が育てたダンサーです。

観葉植物が光を受ける清楚なスタジオは、モダンダンスの寺院のようです。初心者クラスは、ピラテスが入ったフロアのエクササイズで中心を強くし、センターでプリエなど、基礎的なステップを練習します。何がシンメトリーで、アシンメトリーか、身体で覚えるのです。上級者向けのクラスは、センターで身体を360度球体のように使えるように練習します。鋭い目を持って、「足の裏の影が無いから、もっと足裏を使いなさい。」等、生徒一人一人の癖を見つけ、即座に指摘します。



Ms. Mary Anthony とスタジオの生徒達


私は1年程前に、このスタジオで現役バリバリのダンサーと踊ったときに頑張りすぎてアキレス腱を切ってしまったのですが、すぐに階下の理学療法士を呼んでくれて、「有名なダンサーが復活するのを何度も見ているから心配しないように」と励ましてくれました。メアリー先生に、この12月に日本で発表した「旅立ち」を見てもらいました。「美しい。私が今まで教えたことを全部やってくれてありがとう。」と言って下さり、私の復活を確認して頂いたのは大きな喜びでした。

私が日本でスタジオ水芭蕉庵をオープンした事も、大変喜んで下さり、「若い人たちがインターネットや携帯電話などで空間に身体を持って生きている感覚が不足している今でこそ、モダンダンスが大事。スタジオ経営は大変だけど、とても恩恵のある仕事だから頑張りなさい。」と励ましてくれました。

日本だったら、人間国宝のような方だと思うのに、質素な生活を続けて、スタジオに住んで場を守り続けています。1980年代に地上げで一度スタジオを失いかけたときに、市役所の前で何百人を超える生徒たちと抗議の代わりに踊り、無事にスタジオを守りました。
「I have been very lucky.」と言うのが先生の口癖です。今も子鹿のような足腰をしていて、この方の身体を見ると、私ももっと頑張って自分の身体を鍛え、中心に繋ごうと思います。

先生は、5月に昔の作品 “The Devil in Massachusetts”を再構築しています。本当に米国のモダンダンスの生き証人です。NYに行く機会があったら、ダンスをやっている人は、是非スタジオや劇場に行ってください。

別れ際に、「次に会うときは又新しい作品を創って持ってくるように。」と言われました。次は大地の作品を6月のブリックワン「ダンスシード」で踊りたいと、オーディションを受けました。私も先生のように踊り続けたいと思います。

Mary Anthony Dance Foundation:
http://maryanthonydance.tripod.com/



Ms. Mary Anthony、ピアニストのJohn Stone, 80歳のダンサーSteve


■公演

▼3月14日(土)
よみうりダンシングフェアにて、よみうり文化センター自由が丘の生徒と共に「新ばらの花びら」を発表
場所:有楽町よみうりホール(ビックカメラ7階)
時間:12:56分ごろから6分間
無料

▼5月1日(金)
舞踊作家協会「伝統と創造」 花柳面氏による舞台に参加
場所:ティアラ江東 (03-3624-3333)
時間:19:00 p.m.
料金:3000円

■ワークショップ 教室

▼イサドラ・ダンカン・ダンス ワークショップ
「自然のエレメント」を踊る、初心者向けのワークショップです。少人数制で、ダンス経験の無い方、高齢者にもご参加頂けます。
3月7日(土)「水」
4月18日(土)「火」
5月16日(土)「土」
6月13日(土)「風」
7月4日(土)「水」
Place: 千駄ヶ谷津田ホール2F 同窓会室 
http://tsudahall.com/THHP/annai.html
時間: 10:15 - 12:15 p.m.
レッスン料: 3000 yen (教材費別途)
要申込:Tel/Fax: 047-357-9246
Email:michsato@cba.att.ne.jp

▼イサドラ・ダンカン・ダンス
4月7日(木曜) 午後7時より 自由が丘よみうり文化センター教室 4月期開講!
http://www.ync-jiyugaoka.ne.jp/program/c2013_2013006_2013006006.html

▼モダン・ダンス・スタジオ水芭蕉庵は、現在、以下の予定で無料体験レッスンを行っております。
・レッスン日:水曜日 月3回
・場所:スタジオ水芭蕉庵 (東西線南行徳駅徒歩4分。詳細はお問合せ下さった方にご連絡します)
・対象: 
幼稚園児: 16:00~16:50
小学生: 17:15~18:15
中学生以上大人: 19:00~20:45   
※各クラス少人数制で行います
・お問い合せ:
TEL/FAX: 047-357-9246 
email:michsato@cba.att.ne.jp
http://home.att.ne.jp/alpha/idance/

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プロフィール

佐藤 道代佐藤 道代

モダンダンスに日本の身体言語を融合し、元型的身体言語を追求する舞踊家。
津田塾大学卒業後ロータリー財団奨学金にて留学したニューヨーク大学より修士号及び舞踊教育学科長賞を受賞。自作を日本(EXPO2005)、米国(国連)、英国(大英博物館)等、各地で公演。NYタイムズ紙に「スタイル・内容ともに洗練された作風」と評される。1998年ミュージカル「王様と私」出演。2004年NYジョイス・ソーホーで、日本女性に関する自作品の公演を行い連日満席となる。2003年、2004年舞踊批評家協会新人賞ノミネート。2005年Die Pratze観客賞受賞。2007年エッセイ「イサドラ・ダンカンの舞踊理論とスピリチュアリティー」を、「スピリチュアリティーとは何か」(ナカニシヤ出版)内にて出版。

URL:http://home.att.ne.jp/alpha/idance/

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