toniのおかえりなさい ~こころ・からだ・スピリットの放浪~

呼吸と解放

おかえりなさい。

ずいぶん時間が経過してしまいましたが9月15~16日に奈良県で開かれた「ホロトロピック・プレスワーク」のワークショップについて書いてみたいと思います。
ホロトロピック・ブレスワークとは??

「ホロトロピック・ブレスワークはスタニスラフ・グロフによって創始された呼吸法。

LSDのような薬物に頼らずに人を変性意識状態へと導くための方法として開発された。トランスパーソナル心理学における代表的なセラピー技法として実践されている。時に幽体離脱を引き起こしたり、心身に危険を伴う場合もあるので、正しい指導者の元で行うことが推奨される。

やり方は、横になって目を閉じ、音楽をかけながら深くて速い呼吸を行うというもの。内面に目をむけ、呼吸に集中する。音楽はクラシック、宗教音楽、民族音楽などが使われる。一つのセッションは2時間半ほどである。」

(Wikipediaより引用)

とあります。私自身も未経験のワークでした。
このワークのファシリテート役は、アメリカ・カリフォルニア州にある「エサレン研究所」(Esalen Institute)
で24年間、マッサージやダンスワーク、「動く」ことを基本にした瞑想など彼女独自のスタイルで教育やワークショップを行ってきたエレン・ワトソンさんでした。

彼女とも初対面でした。今回Toniの役割は「通訳」
エレンの通訳の条件として「参加者と一緒にダンスもワークもできる人」

ただ言ってることを通訳する人では、参加者に距離を感じさせ、安全な場所作りの妨げになる」ということでした。ありがたいことに白羽の矢が(?)私に・・・。
踊れて通訳できるなんて、こんな楽しそうなお仕事、やらない手はありません!私はダンスが大好きです。サルサやレゲエ、民族音楽も、盆踊りも何でも大好き!
二つ返事でOKさせていただきました。

2日間のワークショップは、まず気功から始まり、その後20分ほどの軽いダンス、その後、激しく大音量の音楽(ロックやヒップホップなどなど)で1時間ほど踊りまくります。50名ほどの参加者がそれぞれ、直感で二人一組になり、2日間のパートナーを決めます。

午後からは各自持参したエアマットやブランケットなどを敷いて、心地よい空間作り。
「ブリーザー(呼吸する人)」と「シッター(見守る人)」を決め、ブリーザーは横になります。シッターは
ブリーザーの横に座り、ブリーザーを見守ります。余計なお世話はしないこと。これが決まりです。
ブリーザーが頼めば、お水を飲ませてあげたり、トイレに付き添ったり毛布をかけてあげる。だけど要望が無い限り、シッターは「ただ、そこに一緒に居ること」これが役目です。

いよいよブレスワークが始まります。部屋は真っ暗です。リラクゼーションを20分ほど行い、激しい音楽が始まります。あまり心地良い音楽ではなく、民族音楽でもシャーマニックな、なにか儀式の場面を思い起こすような、そんな音楽。それが大音量で流れ続けます。その間、いわゆる「過呼吸」を1時間行います。
私は通訳なので、一緒に寝転んでワークの体験はできませんが、座って過呼吸をしていると2分ほどで頭がグラグラしてきました。いろんな記憶が呼び起こされました。子どもの頃のレイプ体験が真っ先に戻ってきました。私は暗闇で震え、大音量の音楽に任せて泣きました。
3分ほど泣き続けると、吐き気がしてきました。一瞬にして、ものすごい深い眠りに落ちました。おそらく1分くらいだと思いますが。

共同ファシリテーターのBASHOに肩を叩かれ、「そろそろ、皆をチェックしていくよ」と言われて立ち上がった私の頭はすっきり。実はこのワークでどんなことを発見するか、とても楽しみにしていた私は、ワークの5日前から断食していました。そのおかげで、体がとても素直なんです。

(注)このワークに断食は必要ありません。あくまで私の趣味ですので、誤解のありませんよう。

数箇所に置かれたロウソクの灯りを頼りに、暗い部屋を歩き回ります。
過呼吸を続けたブリーザーたちは、それぞれの反応をしめしています。
体は生まれてから全ての瞬間を記憶しているといいます。たとえ私たちが心や頭で思い出せなくても、体は一瞬一瞬を全て記憶しています。ですから、このようなワークでは、普段自分が抑圧しているトラウマや感情が体の痛みとして現れることがあります。これは全く正常な反応であり、素晴らしいことです。

そのトラウマとは、本来、自分のものではありません。しかし私たちは、自分をその瞬間に守るために何らかの反応をして自分を抑圧することがあります。その一度の反応が成長過程で日常化する場合もあります。継続的な虐待や心理的および肉体的な抑圧がある場合がそうだといえます。
その虐待行為と防衛反応(つまり自分を押し殺すこと)は一つの儀式のために「セット」になります。

それが習慣化すると、日常のあらゆる場面で、その人はその防衛反応を無意識に実行している場合も多くあります。

このワークでは、一人一人に現れた体の痛みや痺れ、重さ、不快さにフォーカスします。一人ずつ、
「心、頭ではなく、体がいま、何を感じている?」その質問を一人一人になげかけます。

私たちの日常で、自分の体が感情をどのように体感しているか。そのことに意識を向けることは、あまり無いものです。
そしてこのワークの中で行う事は、まず「あなたの体は、今、どのような状態か?どこがどう感じているか?」に意識を向けてもらい、不快に感じている体の部分を「抑圧された部分」と見なし、そこに思い切り圧力を加え、自分自身で、その圧力に、文字通り「体を張って」抵抗することを体験します。

「今、心がどう感じているか」と言うことだけに捉われると、私たちは体の感覚を置き去りにしがちです。
このワークで素晴らしいと思ったところは、「今、どう感じている?」と聞かれた時に、
「寂しい感じ」と応えた人に対して、「その寂しさを、あなたは体のどこで感じている?」
と、あくまで体の感覚にフォーカスし続けるところでした。

私自身、ここ数年間で、トラウマを解放するワークをいろいろ体験する機会がありました。
中でも、体の感覚にフォーカスし、体を思い切り感じて、自分にとって邪魔だった思考パターンを手放すのに、最も役立ったのは、こういったカラダを感じるワークだったといえます。それはダンスだったり、呼吸だったり、護身術だったり、絵を描くワークだったり、いろいろあります。

ホロトロピック・ブレスワークを通して、たくさんの人が自分の思考の癖から解放されていく様子を見せていただきました。私にとっても、忘れがたい素晴らしい体験でした。
また来年もこのワークが行われるそうで、とっても楽しみです。

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プロフィール

tonitoni

生まれついての料理人、フード・アーティスト。
カリフォルニア州認定クライシスカウンセラーでもあり、カリフォルニア州オークランドで性被害にあった人のサポートを体験。
ワークショップの通訳、翻訳、自然食ケータリングも行う。
国際交流基金日米センター(CGP)の「NPOフェローシッププログラム」フェロー第5期生。

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