
息づく色彩
高野山から天河神社に向かう途中、野迫川村あたりに雲海の名所がある。朝焼けの色彩変化は息を呑むほどで、足下に雲が湧き上がってくるのはゾクッとするほどに畏怖の念を起こさせる。
弘法大師空海は、役の行者の弟子たちに導かれながら吉野から大峰山脈、天河、そして高野のあたりを山林徒走して修行に励んでいたに違いない。空海が高野山を修禅の地として選んだ理由の一つは、近くにこのような色彩体験ができる場所があったこともあるのだろう。
自然のパノラマの中でこうして刻一刻と変化する色彩体験をしていると、大自然の美しさの中で小さな自分を忘れて生かされているいのちへの感動と感謝が新たになる。特に現代では、こうした素晴らしい自然体験を楽しめることは貴重なことであり、スピリチュアルといわれる領域に触れる大切な手がかりになるのではないかと思う。
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