井上ウィマラのともにいのちを耀かせる瞑想とスピリチュアルケア

2008年08月

人生の始まりの支援

「仏教と乳幼児期」

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 8月1日から5日まで、横浜パシフィコで世界乳幼児精神保健学会の世界大会に参加してきました。3日の午後、私は、オーストラリアの音楽療法士ステファン・マーロック、イギリスの臨床心理士マリア・ポッジと3人で「仏教と乳幼児期(Buddhism and Infancy)」というワークショップを行いました。写真は右側からコーイン・トレバーサン(ステファンの師匠で母子コミュニケーション研究の第一人者)、ステファン、私、マリアです。

 先ず最初に私がヴィパッサナーを中心として仏教瞑想を概説して、瞑想にはウィニコットの言う「抱っこ」的な環境を創り出す効果があることを説明しました。次にステファンが、喃語による赤ちゃんとお母さんのコミュニケーションにはすでにリズム、メロディーそして物語性という3要素による音楽的なコミュニケーションが成立しており、この土台の上に意味を持つ言葉によるコミュニケーションが為されるようになること、仏教の縁起思想はこうした関係性の上に成り立つ人間理解に有用なことを話しました。そして最後にマリアが、実際の母子カウンセリングの臨床現場において仏教の瞑想的な姿勢がどのような効果をもたらすかについて体験を語りました。

 最後には活発な質疑応答が為され、ワークショップは予想以上に好評で、事務局長からもこのチームで継続的に発表をしてゆくようにという嬉しい応援を頂きました。仏教瞑想はマインドフルネスという名前で西洋の心理療法をはじめとする多くの臨床現場にかかわる人たちに実践されるようになって来ています。日本仏教の再生には、こうした実践型の瞑想が逆輸入されることが必要なのかもしれません。

 スピリチュアルケアは、人生の最後の支援だけではなく、チャイルドケアの中で赤ちゃんとお母さんがよりよい時間を過ごせるように応援することも大切な使命としているのです。命をつなぐ世代間伝達の場で、悪循環を断ち切り、よりよい喜びと思いやりの循環を創造するお手伝いです。

 今回の大会は、こうした人生最初期のスピリチュアルケアを考えてゆくために、赤ちゃんとお母さんの間に起こっていることに関して科学的研究が相当に熟してきたことを実感できる貴重な機会でした。

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